うつ病の症状は30代の働き盛りに増えている

現在日本人では30歳代から50歳代の働き盛りの世代で

うつ病（大うつ病）が急増しています。

企業を対象にした調査では、社員に心の病が

増加していると回答した企業が、実に半数以上に

だという結果が出ています。


また、男性ではうつ病の症状で

40歳代～50歳代にかけて自殺する人の数

が急増しています。

自殺の背景にうつ病がある場合が多いことを

考えると働き盛りのうつ病への対応が

いかに必要かということがわかります。


最近企業では、従業員のメンタルヘルス

（心の健康）を担当する部署があったりして、

従業員のうつ病対策をする企業が増えています。

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職場でのストレスが増大

働き盛りの世代を取り巻く職場の環境は、

産業構造の変化や不況などによる合理化、

人員の削減など、厳しくなってきています。


リストラによる失業も深刻な問題ですが、

職場に残っている従業員も、人員削減のために

業務が増えて過重労働になりやすいという現実があります。


働き盛りの世代では、子供の教育や親の介護など

家庭での心配事や負担は増えがちです。

家庭と職場、それぞれで負担を抱えていても

忙しくてほかの人に相談をしたり、休みが取れなくなったり

するといった状況に陥ることもあります。


急激な社会の変化が負担に

最近では、雇用体系が終身雇用、年功序列主義から

成果主義へと変わりつつあるなど、社会全体

がめまぐるしく変化しています。


働き盛りの世代は、このような激しい変化にも

適合しなければならないため、このこともストレスの

原因の1つと考えられます。


うつ病の症状

働き盛りの世代のうつ病の症状は、職場と家庭では

違う形で現れることがあります。

職場では、業務上で以前と違うと指摘されることが

多くなります。


ミスが増えたり、集中できずに能力が下がったり、

イライラしたり、怒りっぽくなったりする場合もあります。


このような症状になっても、最初のうちは本人が

隠したり、いつも以上に頑張ってカバーしたり

するため、周りは気が付かないこともあります。


飲酒量が増えることも多い

家庭ではぼんやりしている、不眠を訴える

食事をとらなくなるなどのサインに注意が必要です。

また、だるくて調子が悪いとか、すっきりしない

などの身体症状もよくみられます。


このように身体症状を紛らわすために飲酒量が増えたり

寝つきが悪いからといって寝酒をのむようになるなど

の変化がみられるようになる場合もあります。

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ぎりぎりまで頑張ってしまうことが多い

うつ病の問題の1つに自殺がありますが、

自殺に関する調査では、特に40歳代から50歳代の

男性では、死にたいと具体的に言う人の割合が低い

ことがわかっています。


働き盛りの世代では、自分の苦しさをぎりぎりまで

押し殺して頑張ってしまい、その反動で一気に

抑うつ症状が現れ、自殺を図る傾向があります。

その点でも、周囲がはやくサインをキャッチする

ことが望まれます。

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うつ病の相談は産業医や職場の制度、地域のサポートを利用する

最近は、働き盛りのメンタルヘルスの相談先が増えています。


産業医や職場の相談制度を利用する

勤務先に産業医がいる場合には、産業医に症状や仕事で困っている

ことなどを伝えることがすすめられます。


従業員のメンタルヘルスの相談を受け持つ部署がある場合に

は利用するとよいでしょう。

企業のなかには、従業員が利用しやすいよう、相談部署を

外部に委託しているところもあります。


こういった制度を積極的に利用するとよいでしょう。


周りの人が先に相談してもよい

本人がなかなか受診しない場合には、

家族が先に相談してもよいでしょう。

相談先としては、精神科や地域の保健所、

保健センターなども利用することができます。


地域によっては、メンタルヘルス専用相談窓口や

精神科医による相談日を設けているところもあります。


うつ病の治療

休むことの重要性を理解する

うつ病の治療の基本はゆっくり休むことと、薬物療法

です。


休職制度や有給休暇を使って休む体勢を整えます。

うつ病の患者さんには、休むことに抵抗を感じたり、

仕事を休んでも、周りに迷惑をかけて申し訳ない

と思い悩んで結局心が休まらない人もいます。


でも、うつ病はなにもしないことが一番の治療です。


薬をしっかり使う

抗うつ薬を使って抑うつ症状を取り除きます。

薬は、病状がなくなってからも、再び悪化するのを防ぐ

ために、多くの場合1年ほど使います。

回復期には復職をあせりがちですが、十分に回復

しないまま復職をすると、うつ病が再燃するおそれがあります。

回復期には、復職を視野に入れつつも、しっかり治療

に取り組むことが大切です。